昆虫の目について
2014.09.03
カテゴリ:理科用語
昆虫の目について
- 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。夏休みが終わって3日目、休みでなまった体が本調子になっていないですが、しっかり体調を整えてくださいね。
- また、最近デング熱が流行しているので、運動会や外で部活をする学生さんは虫除け対策をしっかりしてください。
- 前振りが長くなりましたが、7月30日以来の理科ブログを再開いたします。今回は「昆虫の目」について解説いたします。
- 昆虫には、体(頭)に比べて非常に大きな目がついています。
- これは、「複眼」というもので、「目」が複数個集まったものです。これによって、あらゆる方向の物の動きをとらえることができます。
どういう風に見えるの?
- 実際に昆虫は我々の姿はどのように見えているのでしょうか?
トンボには、左右合わせて5万個の目がついています。それを通してみるとこのように見えます。
- トンボは網戸越しに外の風景を見るような感じてものを見ているので、余りはっきりとした姿を見ることができません。しかし、トンボは150ヘルツ(1秒間に150回)の点滅を識別することができます。ゆえに、人間には静止した状態にしか見えない微小な動きでも検知することができます。
- このように優れた時間分解能とほぼ360度を見渡せる視界を組み合わせることで、人間では到底できない動きでもやってのけてしまうのです。
「トンボの目」を応用したら…
- このように優れた機能を有する昆虫の複眼の原理を、人間が応用するとこうなります。
①デジカメの受光素子
- デジタルカメラ(デジカメ)の受光素子にこの原理が応用されています。レンズを通った光が、カラーフィルターを通って、青、赤、緑の光に分類されたのち、それぞれの光に反応するフォトダイオードに当てることで光を電気信号に変換します。それを0と1の数値データに置き換えて画像を保存します。
画像引用元 パナソニック株式会社
F-2支援戦闘機のレーダ
- もう1つはF-2支援戦闘機のレーダに応用されています。戦闘機のレドームに入っている素子から、レーダ波を照射し、それを物体に当てます。物体にレーダ波が当たると帰ってきますが、その時帰ってきた波と照射したときの波に差が生じます。それを検知して物体までの距離を算出します。
- 開発していた三菱重工のエンジニアの間では「トンボの目」と呼ばれていたそうです。
本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。