台風とは？
2014.06.09
カテゴリ：理科用語
台風とは？
- 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。そろそろ夏になるので、台風の話をしようと思います。
- 皆さんに質問です。日本に7月～9月にかけて風水害をもたらすと同時に恵みの雨をもたらす「台風」というのは、いったい何でしょうか？
台風は低気圧の一種
- 台風のというのは、地球上で発生する低気圧の一種です。低気圧というのは、地球上の温帯で発生する「温帯低気圧」と熱帯で発生する「熱帯低気圧」、北極・南極で発生する「極低気圧」の3種類が存在します。
- 熱帯低気圧のうち、決められた基準※をクリアした「エリート低気圧」が「台風」と呼ばれるわけです。
※この基準は万国共通で、中心付近の最大風速が17m/s(時速63km)を超えたものが台風と呼ばれる。
台風の特徴
- 台風には、次に示す特徴を持っています。
- 台風は「台風の目」と呼ばれるものを持つ
- 台風は同心円状の等圧線※1を持つ
- 台風は前線を伴わない
- 北半球に発生する台風と南半球で発生する台風の渦の回転方向は逆である
- 赤道では台風は発生しない
※気圧が同じ場所のポイントを線で結んだもの。等高線と同じ方法で作成される。
- 1について
台風には必ずといっていいほど、「目」を持ちます。勢力が強いほどはっきりとした目を持ちます。なぜ台風に「目」ができるのかというと、積乱雲(入道雲)が集まってくると、北半球では左回り、南半球では右回りに回転を始めます。そうすると、渦の中心に遠心力が発生し、周囲から吹き込む風によって発生する力(これを気圧傾度力という)と中心で発生した遠心力が釣り合うため、雲が入り込めないからです。だから台風の目ができるのです。
- 2について
台風の特徴として、同心円状の等圧線を持ちます。なぜかというと、理由は簡単。台風は真ん丸だからです。四角の渦なんて存在しませんよね。
- 3について
温帯で発生する低気圧(温帯低気圧)には、寒冷前線・温暖前線という暖かい空気と冷たい空気が集まっている領域があります。しかし、台風は熱帯で発生するため、暖かい空気しかありません。だから前線ができないのです。
- 4について
地球に見立てたレコードプレーヤーを回転させ、中心から端に向かって定規を使って直線を引くと、直線が「左に曲がり」ます。逆に中心から端に向かって直線を引くと「右に曲がり」ます。これは「転向力(コリオリの力)」と呼ばれるものです。
台風の場合、周辺から中心に向かって直角に風が吹いています。それが転向力によって北半球では左に曲げられ、南半球では右に曲げられるから、渦の向きが逆になるわけです。
- 転向力について読んでもわからない、という方はこちらをご覧になってください。
- 5について
赤道で台風が発生しないのは、ここでは転向力が働かないため、渦ができないのです。だから台風ができないのです。
おまけ
- 台風は「いると迷惑だけど、いなくなると寂しくなる」わがままな女性に例えられており、アメリカでは、ハリケーン(アメリカで発生する台風の名前)にすべて女性名が付けられていました。しかし、これを聞いたウーマンリブ運動家が「女性差別だ」と抗議したため、今では男女の名前が交互に付けられるようになりました。
本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。
